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脳、神経の病気
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 私たちのからだは、変化のはげしい外界(外部環境)にさらされていますが、からだの内部の状態(内部環境)は正常に保たれています。それは、外部環境の変化に対応して適切に反応しているからです。
 外部環境の変化を刺激として受け入れるのは、皮膚などの感覚器の働きです。刺激を受け入れるという意味で受容器ともいいます。一方変化に対応して反応するのは筋肉や分泌腺ですが、反応効果をあらわすという意味で効果器と呼んでいます。
 しかしもっと重要なことは、受容器と効果器の間を取り持って、適切に対処できるような仕組みがあることで、この仕組みが神経系なのです。したがって、神経系は受容器と効果器との間を機能的に連結して、受容器から送り込まれる情報(刺激)を適切に処理して、効果器へ指令(反応)として送り出す働きを営んでいるのです。そしてこの適切な処理の働きを統合と呼んでいます。
 ● 脳の働き
 脳幹、脊髄系
 大脳皮質の活動を調整し、覚醒と睡眠をリズムをつくるしくみが営まれているほか、運動神経と感覚神経とによる姿勢保持や防御反射のしくみがここで営まれています。また変化する外部環境のもとで身体の内部環境を正常に維持すること、これをホメオスタシスといっていますが、これも脳幹に中心のある自律神経の調整作用によります。
 生活活動に重要な役割を持つホルモンの分泌も、脳幹にある間脳の一部である視床下部とそこについている下垂体のよって支配されています。
 
大脳辺縁系
 ここでは本能と情動の心が形成されます。本能の欲求には食欲、性欲、集団欲があり、これらが満たされないと個体維持と種族保存の基本的な生命活動ができないのですが、大脳辺縁系で営まれる情動の心、すなわち快感や不快感、怒り、恐れなどが駆動力となって、本能を満たし、生命と種族がうまく守られています。
 
新皮質系
 高等な動物ほど新皮質が発達していて、人間で最もよく発達しています。特に前頭葉の前端部の前頭連合野と呼ばれる部分は人間の脳だけに発達しているもので、これによって人間らしい行動が可能となるのです。
 新皮質系では高等な精神活動が分業で営まれており、前頭連合野以外の後頭領域では感覚器からの情報を記憶したり、記憶と照合して知覚し、理解し、認識するという情報処理の働きと、その結果を言葉や表情や動作などの運動として発現する働きをしています。これに対して人間にだけ発達している前頭連合野では創造欲(思考、判断、選択、意思決定)、生存欲(生への執着、希望、不安)、所有欲(金銭欲、名誉欲)、自己顕示欲(負けん気、優越感、競争意識、征服欲)などの欲望が生み出され、またこれらの欲望を達成させる駆動力となる情操の心が営まれています。
 
脳の発達
 このようによく分化発達した人間の脳も生まれたばかりの赤ん坊では約400gで、6カ月で生まれたときの重さの2倍になります。7〜8歳で大人の重さの90%に達しますが、完成するのは20歳前後です。
 脳が重く大きくなって発達するということは、神経細胞の数が増えるためでなく、神経細胞がたくさんの突起を伸ばして、ほかの神経細胞と機能的に連結することです。神経細胞はからだのほかの細胞と違ってこの機能的連結ができて、はじめて働くことができるのです。生まれたばかりの赤ん坊の脳では、神経細胞は出そろっていますが、まだ突起のからみ合いができていないのです。このからみ合いは二つの段階になってできあがっていくのです。第一の段階は生まれてから3歳ごろまでの模倣の時期です。この期間に約70%の配線ができます。3歳から10細ごろまでの第二段階の期間には、やる気を起こす神経細胞の配線が行われ、創造に時期と呼ばれています。頭の良い悪いは、やる気によって、状況に応じて新しい道を切り開いて進んでいく能力ということですから、この第二の創造の時期における教育などの環境の影響は非常に重要です。神経細胞の配線は10歳ごろに完了し、あとは増えません。増えないどころか、頭を使わないでいると、せっかくできた配線がほぐれてきます。したがって学校で勉強し、職場で頭を鍛え、社会で頭を使っていれば、それだけ頭の働きはよくなっていくのです。
 
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